八角二胡について
「人生を描く」中国首都・北京生まれの魂の二胡
中国曲には喜怒哀楽を表現する曲が多く、様々な人間の感情を一曲の中で表現する必要があります。八角二胡は六角二胡の持つ美しい音色と、円形二胡のような迫力ある演奏、どちらも柔軟に対応できる二胡が欲しいという数多くの二胡奏者の要望や需要により、1970年に演奏家や専門家、職人により共同開発されました。
1975年、当時中央音楽学院に在籍していた演奏家王国潼と、楽器制作盟主の滿瑞興氏が共同研究した末に、現在の八角二胡が誕生しました。八角二胡が誕生した背景には、六角二胡の持つ美しい音色と、円形二胡のような迫力ある演奏、どちらも柔軟に対応できる二胡を実現してほしいという数多くの二胡奏者の要望と需要により研究開発されました。中国曲には、喜怒哀楽を表現する曲が多く、「喜び、怒り、憂い」様々な感情を一曲の中で表現する必要があるため、コンサート中に様々な音色や音量などを自在にコントロールするという点において、八角二胡の持つ機能面は舞台などで真価を発揮しやすい構造になっています。
繊細な音の変化や、音の強弱などを自在にコントロールするという点において、八角二胡は舞台などで真価を発揮しやすい構造です。
音抜けが良く、音量豊かな八角二胡
前八角後円形二胡は正面から見ると八角形、裏面は円形でホールが空いています。この形状は正面から裏面にかけて形状が一定ではないため、六角二胡に比べると、製作難易度が高く時間や手間をかけて丁寧に制作されている二胡です。
円形ホールがあるので音抜けがよく、胴内で十分に増幅された音は遠達性に優れ、音量が豊かです。はっきりとした音色がすっと響き渡るという感想を述べた演奏家もいます。
前八角後円形の製作には高度の技術を必要とします。手間はかかりますが八角形にすることで、演奏の時に大きく弓を動かしても弓が角に引っかかることがなくなりました。
八角二胡は六角二胡と比べると製作難易度は上がります。また難易度が上がる分、工程数も増えるため、製作技術水準の高い工房でないと品質の高い八角二胡を取り扱い続けることが困難です。また、品質を保てない工房の場合は、その工房から八角二胡は自然と淘汰されてしまいます。そのような背景もあり、結果的に市場に出回る本数は六角二胡よりも少ない現状があります。長い歴史を持ち、今でも八角二胡を制作し続けている工房は、品質の高い工房の証であるといえるでしょう。
【八角二胡を使用している著名な二胡奏者動画まとめ】
曲 | 奏者 | URL |
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泉映月 | 王国潼 | https://www.youtube.com/watch?v=-1wL-I2k4Bk |
流波曲 | 厳潔敏(Yan Jie Min) | https://youtu.be/tnRVpSi3wU0 |
チャールダーシュ | 馬向華 | https://youtu.be/0LrxVNwO1xI |
Amazing Grace | 楊興新 | https://youtu.be/uYhuJVLUxEs |
喜送公糧 | 趙寒陽 | https://youtu.be/4zHL944loQk |
金珠馬米贊 | 許講徳 | https://youtu.be/74thKjitfAs |
二泉映月 | Min Huifen 闵惠芬 | https://youtu.be/TUBuUTTnTRA |
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